2015年05月18日

木村明子さん連載、夫婦で赤坂さんぽ

<消しゴムはんこ通信編集部/2015年5月18日配信>

消しゴムはんこ作家・木村明子さん(くま五郎本舗)の連載
「木村明子のさんぽではんこ」をお届けします。
(毎月18日頃更新予定)



紫外線対策に真剣に取り組む季節となってきた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。千葉県を拠点に活動している消しゴムはんこ彫り、木村明子と申します。

「木村明子という人物が各地を散歩してはんこを作る」というこの連載、今回は東京都港区にあります「赤坂」に行ってまいりました。


なぜ赤坂を選んだかというと、その3日ほど前、夫に「ああ、散歩する場所が思いつかない。ちょっとどこかに連れて行ってはくれませんか」というようなことを言ってみたところ「赤坂辺りなら案内できるよ」と言われたためです。というわけで、今回は完全に「夫プロデュース散歩」となっております。


我々が東京メトロ国会議事堂前駅にたどり着いたのは午前11時半頃でした。駅に着き、近場の出口に向かっている時に夫が「この出口じゃないな、引き返そう」と言いました。「だったら外を歩こうよ、せっかく晴れているんだし」というようなことを私が言った時、今にして思えば夫は微妙な顔をしていた気がします。

外に出ると見事に快晴でした。気持ちのいい気候の中、「あのビルは〇〇、あれは××」という夫の話をふんふんと聞きながら角を曲がると、そこに長い上り坂が現れました。その坂道を見ながら夫が笑顔で言いました。「いやぁ、別の出口に行っていればこの坂を避けられたんだけどね」と。

「そういうことは先に言いなさいよっ!!」とか「45度くらいあるんじゃないの、この坂!!」というような愚痴を吐きながら、私は坂道を登りました。正直に言うと7歩目辺りから「もうダメだ」と思っておりました。途中、夫に手をつないでもらいましたが、これは「愛」ではなく「補助」、もしくは「介護」であると考えます。あまりにも苦しくて悔しいので、坂道の名前が書いてある標識を写真に撮っておきました。「山王坂」というそうです。後で調べてみましたがどうやら45度はないみたいです。しかし170mあるそうです。私にとっては長距離です。


初っ端から体力を激しく消耗したためその後の記憶が若干あいまいなのですが、とにかく坂道を登りきった我々の前に国会議事堂が現れました。国会議事堂は細かい彫刻がなされた美しい建物です。古い建物好きの私のテンションは少しだけ上がりました。国会議事堂の横に議員会館がありました。ちょうど信号待ちだったのでじっくり眺めてみました。「きれいな建物だなぁ」とか「窓際に花が置いてある場合は100%胡蝶蘭なんだなぁ」などと考えていた気がします。


信号を渡ってしばらく歩いていると緩やかな下り坂が現れました。どんな形体でも坂道は例外なく私のふくらはぎと腰にダメージを与えます。ひーひー言いながら坂を下り、平地を歩き出した時、目の前に「肉」という看板が目に入りました。

非常に体力がない私ですが、最近お肉が好きです。そして時刻は午前11時55分、お店をのぞくとおしゃれできれい、メニューによるとお値段も手頃です。何より私は「『一歩も動きたくない』と泣き出す3秒前」みたいな状態でした。「ここでご飯を食べよう」というようなことを言いながら振り返った時、夫はすでに30mほど先に進んでおりました。恐ろしい体力差です。

その後の説得によってなんとかそのお店でご飯を食べることに成功したわけですが、「休憩したい」という欲望を抜きにしても大変素敵なお店でした。A5ランクのお肉を使ったハンバーグは、みっちりとした舌触りで大変美味しかったです。


ランチを済ませた我々は再び歩き始めました。坂道で足腰をやられた私ですが、平地なら大丈夫と思えるくらい回復しておりました。しばらく歩いた後に夫が「次はこの上に行くから」と言いながら振り返りました。夫が指し示す先には、どこまでも続く階段がありました。

「ああ、私はなにか恨まれるようなことをしたのだろうな。そして今、マイルドに仕返しされているのだろう」と思ったのですが、よく見ると長く続く階段の横にエスカレーターがありました。本当にほっとしました。

そのエスカレーターを登り切ったところには「日枝神社」がありました。縁結び、出世運、仕事運を上げるパワースポットとして人気が高いそうです。

社殿の右側に夫猿、左側に妻猿と小猿という「猿神様」がお祀りされていました。猿神様をなでると運気が上がるとのことなので、夫婦で夫婦を撫でておきました。体力差が著しくても円満でいられたらと切に思います。


Copyrights © Akiko Kimura All Rights Reserved.


日枝神社を後にして先に進んだ我々の前には「うっすらとした坂道」が続いておりました。坂道以外の道もあったのかもしれませんが、ノープランの私は夫の後に続くのみです。途中のベンチで休ませてもらったりしながら飲食街を進むんで行きますと、夫が足を止め、「さあ、あの看板を見て!!」と言いました。見上げるとそこには「家族のために頑張っているお父さんのために飲み代お安くしますよ」というような言葉とともに「ハゲ割」と書かれた看板がありました。

「これを見せたくてここまで来たんだ!!」と嬉しそうに語る夫の横で、私の胸には様々な思いがよぎりました。「ここまで歩いてオヤジギャグか」とか「なぜオヤジギャグを見せたかったのか」とか「原稿のオチをオヤジギャグにしろってことか」など、とてもひと言では納まり切れなかったので、とりあえず「……おい!!」とだけ言っておきました。あんなに万感の思いがこもった「……おい!!」は、なかなか言えないと思います。


今回の散歩はなんといいますか非常に「男散歩」だった気がします。女性同士ならまず通らないコースを巧みにたどっておりました。もし再び訪れることがあったとしたら、その前に1年くらい筋トレをしておこうと思います。


ではまた!!


今回のお散歩:9,925歩


Copyrights © Akiko Kimura All Rights Reserved.




http://www.eraserstamp.net/creators/000-068/
http://ameblo.jp/kumajirou--hanko/
http://www.facebook.com/kumagorouhanko


posted by JESCAクリエイターズ at 00:00| 木村明子のさんぽではんこ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。